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HP35s修理

HP35s電卓はRPNでなきゃ、というほどではないのですが、以前思いつきでHP35sを買って、普段自宅で使っていました。使っていたと言っても、この計算機が必要な計算なんて殆どすることはなくて、大抵は普通の電卓で問題ないようなことにしか使っていません。

仕事でなければ関数電卓なんてほぼ出番無いでしょうし、私の場合は仕事でも殆ど使いません。時々は使いますが。その時はシャープのだったりします。

まあ、いつも目の前にパソコンがあるのですから、そこで計算すれば良いようなものですが、いちいち表計算ソフトを立ち上げるのは面倒だし、電卓ソフトは使いづらいし。そんな理由でちょっとした計算はいまだに電卓の出番です。

しかし最近、HP35sのキーがとてつもなく反応が悪くて、たたきつけるようにしないと入りません。買ってからそれほど経っていないと思うのですが。といっても、クレーム交換して貰えるほど最近ではないですが。このままでは使い物にならないので、ぶっ壊す覚悟で分解してみることにしました。

まず、どうすればケースを開けられるかですが、電池室の4ヶ所に、ゴムで蓋のしてあるネジ穴がありますので、4本のネジを外します。これで開くと思ったら下の方がどうしても外れないので、裏面下にある滑り止めゴムを外すと、そこに2本ネジが隠れていました。ネジ止めこんな所にもネジが

これを外して、爪のかみ合わせを外せば開けることが出来ます。中の基板をみると、なんと24本ものネジで固定されています。そうでなければしっかりしたキータッチにならないのでしょうけど。なかは

面倒だなぁと思いながらも、24本外しましたが、基板は全く外れる気配がありません。接着かと思ってこじってみても、そうではなさそうです。なぜかと思ってよくよく見ると、ネジのねじ込まれていたプラスチックが、基板の上に被さる形になっています。ネジ止め

ネジ止めされていると思ったら、カシメで止まっているのと同じになっていたと言うことです。どちらかというと、プラスチックのダボを溶かしたカシメでは強度が足りないので、ネジで補強するという事かも知れません。ネジだけよりも強度は高まるのかな。

仕方ないので、ドリルで揉んで、基板を押さえている部分を取り除きました。基板を削らないよう神経を使います。ドリルで揉んで元に戻せるのかということですが、元々ネジ止めもされているので、それで大丈夫だろうということで、引き返せない道を進みます。まあ、最悪壊れても、どうせまともに使えないのですから。

さて、24ヶ所揉んで、漸く外せました。基板の表面はフィルムというか、カッティングシートのようなもので一面覆われていて、何も見えません。キーに対応すると思われる位置がぽっこり膨らんでいて、押すとプチッと言う感触。基板表側

これははがすと元に戻すのは困難な予感(^_^;)。中がどうなっているのか、端っこをめくって見てみると、ステンレスの小片とプリント基板の接点が見えます。めくった中身は押すとこのステンレス片が接点を導通させるようです。フィルムで密閉されていますし、金属は多分ステンレス、基板はメッキでピカピカ。接触不良になる理由が見当たりません。

ということは、押す側に問題があると言うことです。基板の上に当たる側、電卓の表面側はどうなっているか確認すると、ゴムシートがあって、それをめくると、キーの裏面が見えています。キーの裏からの細い突起が、ゴムシートを経由して、基板上の金属片を押すのですが、よく見ると、ゴムシートがずれてない?ゴムシートとキーの裏ゴムシートが…

ボタンの突起はとても細く、ゴムシートの押される側は丸く出っ張っています。これがずれると、その出っ張りに当たらないことになり、厚みが足らずに十分接点を押せないようです。このため、叩くように強く押すと入力される理由が分かりました。

つまり、結構苦労してたどり着いてみたら、ゴムシートがちょっとずれていただけ…。見たところ、最初からずれていたように思えますが、こんなにボタンが効かない事なんて無かったと思うし、何かの拍子にずれたのでしょうか。落としたりした記憶は無いのですが。

ともかく、もう位置がずれないようにゴム系接着剤でゴムシートを所定の位置に固定して、あとはネジ止めして元のようにくみ上げるだけ。ネジが多くて非常に面倒ですが。

さて、再組み立て後は…普通にキー入力が認識されるようになり、成功です。普通の国産の電卓よりは強く押す必要は有りますが、これは元々そんな感じです。

これで、電卓を買い直す必要が無くなりました。まあ、直すのに使った労力を考えたら買い直す方が良かったかも知れませんが(^_^;)。