こびとの
出てくる映画を見に行きました。
そう、ジブリの「借りぐらしのアリエッティ」です。
相変わらず映像は美しく、アニメーションとしての品質は非常に高いと思うのですが…なんというか、そもそものストーリーがイマイチでした。ま、私のようなおっさんはターゲットじゃないんでしょうね。子供が見れば、それなりに感じ取ることもあるのかも…。いや、それにしても達成感はないし、明るい未来も見えないし、、。
微妙にエコロジーとか、人間のエゴとかに触れる台詞や場面もなくはないけど、それが主題というわけでもないし。小人視線で世界を見ると…という面白さが見せたかったのでしょうか。そんな場面もありますけど、それもちょっと弱いかなぁ。
それに、舞台を現代日本にしたせいでほころびを生じているようにも思います。現代日本で小人を存在させるために、人間側の設定がムリのあるものになっていて、殆どの人にとって、現実感も親近感も持てないでしょう。それならいっそ、ヨーロッパにするなり、過去の話にするなりした方が良かったんじゃないでしょうか。
原作は5巻に渡るシリーズで、その第一巻に当たる部分らしいので、いっそのことシリーズにするといいかも。そうすれば、この未達成感も次の話への繋がりとしてかえって良いものになるかも知れません。そんな企画はないみたいですけど…。そもそも、原作に忠実に作っているとも思えませんので、続きなんてムリなのかもしれませんね。原作の紹介文を読むと、二巻と三巻も部分的に持ってきてしまっているようですしね。
そういえば、音楽もケルト音楽というのをどこかで見かけたので期待していたんですが、あまり印象に残らなかったというのが正直なところ。映画としては音楽だけが突出しないのはいいことかも知れませんけどね。
悪い作品とは思わないんですが、多分、ジブリとしてはヒット作にはならないのでは…と思います。
Posted: 7月 30th, 2010 under Movie.