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ROCKET MEN

今日は(あ、もう昨日だ)、「宇宙(そら)へ。」という映画を見てきました。このエントリのタイトルROCKET MENがその原題です。

月着陸40周年ということで、今年はその関連の物事を目にする機会が多いですが、この映画もそれに合わせて制作されたみたいですね。

しかしはっきり言って、映画の内容と邦題は合ってませんね。

映画の内容は、原題のロケット野郎共の通り、現実的かつ男性的な、冒険、探求、挑戦、挫折、そしてそれを乗り越えて、と言うような感じの物に仕上げられています。

あくまで、宇宙はロケット野郎共の挑戦の対象であって、この映画はロケット野郎共についての映画なんですよね。

そのことは、映画のパンフレットにある、監督・脚本・制作総指揮のリチャード・デイルのインタビューの初っ端に書かれています。「この映画はロケットや宇宙の物語ではなく、”私たち”の物語なんだ」なのに、この邦題です。センスがないというかなんというか。

同じ素材からでも、宇宙をロマンチックに追うような作品は出来るでしょうし、もしそう言う方向の作品だったなら適切だったかも知れませんけど。

ついでに難癖を付けるならば、日本語版のエンディングに流れるあの曲はどうにかならん物でしょうか。英語版がどんな曲だったか知りませんが、なんでわざわざ差し替える必要があるのか…。

映画そのものは、ドキュメンタリーなので、過剰な話の盛り上げもなく、お涙頂戴もなく、淡々と時系列で進んでいきます。

アメリカの宇宙計画最初期からの50年分ですから、取り上げられた項目が重要な成功と悲劇のみに絞られているのは仕方ないにしても、その一つ一つにしても掘り下げる時間がないですから、月への第一歩すらさらっと流されてしまった感じです。まあ、すでに取り上げられすぎていて、今更掘り下げるべき内容も残ってないんでしょうけど。

そんな訳で、宇宙開発などに興味を少し持っている人は、(既に知っていることばかりで)新しい情報や視点を期待してもがっかりではないでしょうか。

この映画の見所は、やはり映像そのものなんでしょうね。NASAの保管しているマスターからHD映像化したというのが売りです。アポロ計画の映像は所々、40年前とは思えないほど鮮明な物もありました。

見ていて凄く物足りなかったのは、アメリカだけ、NASAだけしか出てこないこと。宇宙開発競争では、ソビエトが先にやったこともあるはずなのに、完全にシカトです。アメリカでなくイギリス制作なのに。映像はなくても良いから、歴史を追う上で触れるぐらいしても良かったのに。

パンフレット内では、人類のために、みたいなことが書かれていて、映画内でもそれらしきナレーションもありましたけど、まあAMERICAN ROCKET MENなんでしょうね。この映画は。

あと、スペースシャトル時代は取り上げ方が悲劇そのものに偏りすぎていたような気もします。それをどう乗り越えて先へ進んだか、が大事だと思うんですけどね。

この映画が悪いとは思いません。500円(公開二日間の特別料金で見たので)以上の満足は得ました。が、私としては、人類の宇宙開発史みたいな、どこかに偏らず、じっくりと掘り下げたドキュメンタリーをハイビジョンでシリーズ物として見たいなぁと思います。