主従逆転
別に「ご主人様」とか呼んだり呼ばれたりする趣味がある訳じゃなくて(^_^;)。じゃあなんのことかというと、モノとヒトの関係です。モノはヒトが便利に生活するために作り出したもので、当然ヒトのためにあり、ヒトに合わせるべきです。しかし、モノの都合にヒトの方が合わせて、尚かつそれを喜んでいたりするのは奇妙なものです。
そんな例は枚挙にいとまがないというか、そんなのばかりと言っても良いでしょう。趣味性の高いモノになるほど、そんな方向へ進んでいるようです。果たしてあなたは本当にそんなことがしたかったのか?とか、それでいいのかと、端から見ていて思うことが多々あります。
別に、ここで社会論とか文化論とか哲学論とか精神論とか現代人の歪んだ欲求とそのはけ口についての考察とか、そんなのをぶつつもりは毛頭ありません。
じゃ何かというと、私は、自分の思ったようにモノが働かないととっても気に入らないと言うだけの話。つまり、Nike+スポーツバンドが、なぜか私の走ったのを記録してなかったのでウームとうなったという話です(^_^;)。
なぜかといっても、勿論私が操作ミスをしたんでしょう。しかし、操作性というか、ヒューマンインターフェースデザインが悪いからミスをする訳で。もっと分かりやすく、ミスをしないように出来ていればそんなことは起きないはず。自分のことを棚に上げて…なんて事は当然なのです。どんなアホな人が使ってもミスしないような作りこそが良い物の条件であって、使いこなしにこつやテクニックがいるようでは失格だと思う訳です。
もちろん、それを操作することが楽しみのモノは、全然話が違います。意図的に困難を作り出して、それを乗り越えさせることで満足感を与えるというのは、そもそもそれがそのモノの目的なので、幾ら使いづらいモノでもいい。それどころか使いづらければ使いづらいほど良いわけです。まあ限度はありますけど。
で、Nike+ですが、使いこなしにテクニックが必要かと言われると、そんなことは全然無いんですけどね。機能豊富で操作が複雑な訳じゃなくて、必要最低限に絞り込まれているのでぱっと見分かりづらいと言うことです。走り始めにスタートさせたら、あとは基本的に走り終わるまで何もしなくて良いんですけど、走っている最中にちゃんと記録しているか見たり、ペースや距離や時間を確認しようと思うと使いやすいとは言えないですね。スポーツ中に見る物なので、じっと見ている訳にもいかず、ちらっと見て確認できないと、今回のようにあとでアレ?という事に。特にライトがないので夜は見えないと思って良いですね。
信号待ちなどが長いときは記録を一時停止しないと、そこの平均ペースががくんと下がります。なので止める方が良いんですけど、そのとき押すボタンはスタートの時と同じ。再スタートも同じ。記録終了も同じボタンの長押しです。状態が変わったかは、画面を注意深く見れば分かりますが、確認に時間(と言っても数秒ですけど)がかかるのはちょっと…。暗いとじっと見ても分からないですし。トグル操作なので、一度ミスすると、走っていないところだけ記録するという笑い話になりかねません。
本来夜には走るべきではないんでしょうけど、平日は夜しか走れないですからね。夜明けとともに走って、シャワーを浴びてから出勤すればそれは健康的な感じですけど、朝から疲れて仕事に行くんじゃねぇ…。ただでさえ通勤で疲れるのに。やっぱり社会人としては仕事優先ですよ。
本体の作りも、良くできているとは思うんですけど、腕に付けたときの文字の方向は縦になってしまいますし、操作ボタンの操作性もいまいち。走るときに付けるものですし、軽量化などとのバランスでしょうけど。あとはコストの問題でしょうか。
と言うことで、走ることのために付けているのにそっちに気を取られるのは本末転倒かと。そこでiPod nanoが出てくる訳です。画面は大きく、バックライトもあり、音声ガイドもありますから、記録ミスはまずあり得ないでしょう。やっぱりiPodで記録することにしようかなぁと思いつつあります。
問題は、幾ら小さいと言ってもやはりスポーツ時にポケットに入れておくのは邪魔なので、それなりの固定するリストバンドや何かを用意したり、イヤホンケーブルを気にしたり、いろいろとこれはこれで気を遣うことが多い訳で。更に、お金もかかりますしね。
元々の目的はただ走ることで、それの意欲昂進のための記録だったのですが、何やら記録することが目的化して、これまた主従逆転してますねぇ。まぁ、走ることが趣味とは言えないまでも必要なことでもなく、そういう意味では実用の道具ではないので、無駄でも何でもありって言えばそうですけどね。
Posted: 6月 21st, 2008 under General.