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船に乗れ!

っていう小説を読みました。

2009年に本屋大賞にノミネートされた、話題の本が文庫化ってことで平積みされていたので目に付いたわけですが。

川崎市の溝の口にある、架空の、私立大学附属高校音楽科の男子高校生が主人公なのですが。まあなんというか、この設定だけでまず興味を引かれますが。いろいろと(笑)。

学生の頃は音楽にはまったく縁のない、むしろ遠いところに居た私ですので、音楽高校の日常なんかは、へぇ〜って感じで興味深かったですね。

こんな高校生活を送りたかったなぁ〜とか。いやせめて普通の高校に行っていたら…などと思いつつ。隣の芝生は青いと言う奴かも知れませんが、他から見ても私の居たところの芝生は茶色かったんじゃないかとか(^_^;)。

そんなことはさておき、話の内容はまあ青春挫折物語で、登場人物の行動が私的には納得がいかなかったり、いまいちと思う面も、多々あったりもするのですが。

音楽の専門的な話も適度に、上手くちりばめられています。私のような素人でも解らなければそれなりに、わかる人ならもっと楽しめるだろうと思われます。

哲学の方は、私は好きじゃないのでアレですが、それでもわかりやすく書かれていて、普通の人も興味が持てるように書いていると思います。哲学にしては。

物語は楽しい高校生活はあっても、それは挫折を強調するためのエピソードで、上手くいかない、思うようにならないものだという流れです。本質的には余り好きじゃないタイプ。

私は物語にのめり込む方で、さらに打たれ弱いので、読後感は決して良い物では有りませんでしたが…。

憂鬱な気分に引き込まれつつも、それでも3巻にわたって一気に読ませるだけの巧さはあるなぁと。

お気に入りとは言えないけど、つまらないとも言えない、フツーと言ってすぐ忘ることもない、どこか印象に残る小説でした。